「小説家になろう」読者歴4年(多分)のパンだむと申します。
今回は自分が読んできた中で特に面白かった作品を紹介していこうと思います。
↓このサイトの話です。
・紹介する順番は面白い順ではありません。
・無断リンクなので問題があれば消します。
・自分は文章力がないのであまりうまく良さを伝えられないと思います。少しでも気になったら実際に読んでみてください。
①恋をしたら死ぬとか、つらたんです(みかみ てれん様)
http://ncode.syosetu.com/n6529bs/
自称『普通の女の子』であるクレイジーサイコビッチ・藤井ヒナが、「恋をすると死んでしまうVR乙女ゲーム」のモニターのお仕事をしていくお話。
この小説の面白さは何といっても主人公「藤井ヒナ」です。その圧倒的ホレっぽさから、恋愛はゲームの中だけと決めていた恋愛力53万の女子高生。彼女にかかれば男、女、既婚者、テディベア、喋る棒人間だって恋愛の対象となりうる。そんな彼女が「恋をすると死ぬゲーム」をするわけであるから、当然死ぬ。死にまくる。
ゲームをクリアするために立ちはだかる試練(イベント)を、オペレーターと共に攻略していくのだが、そのオペレーターとの掛け合いや死に方、ヒナのちょろさ、死んだあとの葬式シーンなど随所に笑いのポイントがばらまかれており、とても面白い作品となっている。
自分はネット小説の良さの一つに”軽さ”があると思っていて、そういった面でこの小説は良い意味で”軽い”小説であると思います。頭を空っぽにして読めて、ゲラゲラと笑えるそんなネット小説ならではの雰囲気を是非味わってみてください。
②堕落の王(槻影様)
http://ncode.syosetu.com/n4760cl/
日本のサラリーマンとして働いていた主人公が異世界に悪魔として転生し、怠惰を司る魔王となってからを描いた作品。
皆大好き異世界転生物から1作。とはいってもこの小説は異世界転生要素はかなり薄くなっている。
主人公とその周囲にいる悪魔たちによる群集劇で構成されている小説となっており、それぞれの章が7つの大罪を司った悪魔たちの視点で描かれている。登場する悪魔たちは自身の司る大罪に対して忠実であり、それがキャラクターとしての個性、魅力につながっている。
③魔法少女を助けたい(クンスト様)
http://ncode.syosetu.com/n0267cc/
主人公はある日、化物に襲われたところを魔法少女に助けられる。化物や魔法少女という未知の存在を知った主人公は危機感を募らせ、独自に化物に対しての調査を開始する。そして現れた黒幕から、化物をわざと倒させレベルの上がった魔法少女を狩るという計画の存在を知る。かくして主人公は魔法少女を助けるために奔走するという話。
この小説は魔法少女の戦う敵はなぜ少女たちよりも弱く、少女たちが勝利することが出来るのかという些細な疑問から物語が始まっていく。こういった疑問をうまくついた設定から読者を世界観に引き込んでいき、魔法少女よりもはるかに強い敵たちに対して、彼女たちよりも弱い主人公がどのような方法で勝つのかをみせて、読者の心をがっちり掴んで離さない。
設定はとても作りこまれているし、描写も丁寧で読み終えた際の満足感も抜群に良い作品となっている。
ちなみに続編が現在連載中ですよ!!(自分は完結してから一気読みします。
④ブルージャスティスここにあり!(竹内すくね様)
http://ncode.syosetu.com/n3771r/
悪の組織の戦闘員として働いていた主人公、青井正義。彼は将来の不安から悪の戦闘員として働く傍ら、ヒーロー派遣会社の社員であるヒーローとして活動することを決める。正義とは何なのか?ヒーローとは何なのか?それを知るため兼業ヒーロー青井は今日も戦う。
ヒーロースーツというものが世に広まった世界で、職業として怪人とヒーローをこなしているという独自の設定はとても面白く、出てくる人物も個性的な面子ばかりで飽きを全く感じさせない作品だった。読み進めていくうちに青井という人物のカッコよさ、人間らしさの虜になってしまうだろう。
⑤この世界がゲームだと俺だけが知っている(ウスパー様)
http://ncode.syosetu.com/n9078bd/
バグ満載のVRゲームの世界に飛ばされてしまった主人公が、あらゆるバグを使いこなしゲーム脱出を目指すお話。
自分がなろうにハマる原因となった小説。単行本が現在8巻まで出され、漫画化もされている人気作。
面白い。この一言に尽きると思う。全く予想のつかない展開、数々の伏線、ギャグセンス、愛すべきキャラクター達、すべてが面白いという言葉に集約される。
ただ更新が止まっている期間が長いので、なろう上で完結するかはわかりません。それを差し引いても読む価値は十分なので是非一度読んでみてください。
⑥アルバート家の令嬢は没落をご所望です(さき様)
http://ncode.syosetu.com/n4499cf/
貴族の令嬢である主人公は始業式の最中、この世界が前世でプレイした乙女ゲームであり、自分がそのゲームの悪役であることを思い出す。となれば、ここは「そんな人生冗談じゃない!」と没落を回避…しない。ちょっと変わった令嬢が没落を目指して従者と共に頑張る話。
なろうにおいて人気ジャンルである悪役令嬢物から一作。男性の方はこのジャンルを読んだことのない人も多いのではないだろうか。かくいう自分も最初のころは乙女ゲームという物を全く知らない自分が見ても楽しめないだろうと思い、読んでいませんでした。しかし実際このジャンルに触れてみると、同じ悪役令嬢という作品であるのに多種多様な設定、創意工夫で楽しませてくれるジャンルであり、前知識など全くなくても楽しむことが出来ます。多い設定には没落回避を目指す話や、没落した後の復讐を目指す話などがあります。
そういった中でこの作品は一風変わっており、悪役令嬢が自分主導で没落を目指す話となっている。主人公は確固たる自分の意思というものを持っており、それに基づいて面白おかしく没落を目指しているため、個性的なキャラ達も相まってとても読み応えのある作品でした。ゲームのメインシナリオまではコメディーなのだが、その後は恋愛小説として砂糖をまき散らすので読了感も良く、1作で2度おいしい作品となっている。
⑦やり直してもサッカー小僧(黒須 可雲太様)
http://ncode.syosetu.com/n9987bi/
試合中の怪我によりサッカー選手としての道を絶たれた男が、小学3年生の時まで戻り、もう一度真剣にサッカーに打ち込む話。
設定もシンプルで分かりやすく、丁寧に描写してくれているので、場面を想像しやすくサッカーの知識がなくても楽しむことができる。なろうでスポーツものといったらこの作品を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。時間逆行物はその際の得ているアドバンテージをどう活かすかということを主眼にしている作品が多いが、この作品はそれだけではなく「俯瞰視」という能力を新たに身に着けさせることで、なろうらしいサッカー物として昇華されている。
⑧不死王の息子(日向夏様)
http://ncode.syosetu.com/n2023bc/
現代日本、でもけっこうふつうに人狼や吸血鬼など人外たちが暮らしている世界。普通の女の子である主人公のクラスに一人、人外の転校生がやってくる。転校生である男の子は不死身の不死者、しかも不死王の息子だった。これは、ありえない理由で不死身になった女の子と不死王の息子が色んな死亡フラグにぶち当たるお話。
この作者様の作品に出てくる女の子のサバサバしている感じが自分はすごく好きです。(唐突な自分語り
独特な世界観、他では見れない設定を丁寧に描き、また全体を通して落ち着いた雰囲気の文体のなかに時折挟まれるシリアスやギャグ、恋愛などの要素が作品としての質を高めている。
⑨用務員さんは勇者じゃありませんので(棚花尋平)
http://ncode.syosetu.com/n4202cb/
学園異世界召喚に数十名の生徒、教師と共に召喚された主人公(用務員)は、召喚の際に得られるはずだった力をとある生徒にぶんどられてしまう。辛く厳しい異世界で用務員さんは誰と出会い、どんな生き方をしていくのか。
この方の描かれる異世界はとにかく厳しく救われない。異世界だろうが現代だろうが人間の形成する世界というのはとかく厳しい物だということを強く感じさせる。予想のつかない展開やリアルな描写、読むだけで胸を締め付けられるような圧迫感、緊張感を感じさせる作品は他にはないだろう。
人間らしい主人公もこの作品の魅力であり、一人になりたいが孤独では生きられない、襲い掛かる理不尽をはねのける力も持っていないし、人に縛られるのを嫌う。そんな主人公が四苦八苦し、思い悩み生き抜いていく様を読んでいると幸せを願わずにはいられなくなります。
この作品は7割ダークで2割癒し、1割スカッとする展開みたいな作品で、他のおすすめしている作品と同じ感覚で読んでいると正直辛いかもしれません。それでも読み進めていくと作者様が描きたいこと、伝えたいことが何なのか、それらが見えてくる瞬間があります。どこまでも厳しい異世界”現実”ファンタジーの世界を是非読んで確かめてください。
⑩辺境の老騎士(支援BIS様)
http://ncode.syosetu.com/n5011bc/
大陸東部辺境のテルシア家に長年仕えた一人の老騎士が、主家に引退を願い出て珍しい風景や食べ物を探す旅に出る。
主人公は半ば引退した老騎士でありながら、冒険出ることで新たな出会いをし、それによって得られるものもある。人間いくつになっても得られるものがあるということを感じさせる作品。丁寧に描かれる世界観のなかで、美味しそう食事や軽いユーモア、そこで生きている人々が混ざり合い、とても読み応えのある作品となっている。
主人公一人だけで始まった物語も徐々に大きくなっていき、大陸中に語り継がれる冒険談になっていく様をじっくりと味わってほしいと思う。
<あとがき>
とりあえずこんな感じで。気が向けばまたこういったものを書いていきたいと思います。
なろうを読んでいて思うことはとにかく色んなジャンルを読んでみてほしいということ。異世界物だけがなろうではなく、エッセイとか推理物とかでも面白い作品は沢山あります。是非面白い作品を発掘してみてください。そして自分に教えてください。
なろうのランキングから面白い作品を見つけるのは結構難しいので、まずは書籍化された作品を読んでみて、面白かったジャンルの作品を検索機能をうまく使って探してみるのがいいかもしれません。
ちなみに最近読んで面白かった作品は、
- Myrla~VRMMOでやりたいほうだい~
- ネトゲをマクロで俺つえええしたかっただけなんだ……(勘違いギャグ)